論文種別 症例報告
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 悪性カタトニアに対する集中治療室(ICU)での電気けいれん療法(ECT)の施行 当院ICUで経験した2症例の報告
掲載誌名 正式名:精神神経学雑誌
ISSNコード:00332658
掲載区分国内
出版社 (公社)日本精神神経学会
巻・号・頁 127(9),645-653
著者・共著者 児島侑紀, 清水敏幸, 豊田佳菜子, 石部裕太, 西本大樹, 南翔太, 柏木陽介, 中森靖, 嶽北佳輝, 木下利彦, 加藤正樹
発行年月 2025/09
概要 関西医科大学総合医療センター(以下,当院)は救命救急センターに精神科医が常駐しており,救命医と密接に連携を図ることで,身体合併症を有する精神疾患患者に,迅速で適切な医療を提供している.今回われわれは,悪性カタトニアに対して救急医学科と連携し,集中治療室(ICU)で電気けいれん療法(ECT)を施行した2症例を経験した.悪性カタトニアは,筋強剛やカタレプシーなどのカタトニア症状に,発熱や自律神経症状を合併した状態であり,精神疾患,身体疾患,薬剤が原因となる.しばしば鑑別に苦慮する悪性症候群と並んで,治療が遅れるとさまざまな身体合併症を併発し,致死的な経過をたどる場合があるため,適切な治療と身体管理が重要となる.悪性カタトニアでは,まずはbenzodiazepine受容体作動薬を中心とした薬物療法を行うことが推奨されている.しかし,十分な精神症状の改善が認められない場合や,改善が急がれる場合は,早期のECT施行が重要な治療手段となる.1例目は,統合失調症で前医入院中に高熱や筋強剛が出現し,悪性症候群が疑われて治療されたが改善せず,自律神経症状も出現したため当院へ転院となった症例である.2例目は,昏迷状態を呈した統合失調症に対し,前医でECTが施行されたが,誤嚥性肺炎を発症し,両症状に対する治療目的に当院へ転院となった症例である.2例ともにECTにより悪性カタトニアは改善し,早期にICUを退室することが可能であった.悪性カタトニアに対するICUでのECTの施行は,全身管理に必要なデバイスに囲まれたなかで,ECTに馴染みのないスタッフとの協働が必要となることや,ICUでECTを施行可能な施設が限られるといった課題が挙げられる.一方で,悪性カタトニアのように致死的となりうる病態においては,即効性を備え,身体合併症の続発を防いで救命手段になりうるという点で,ICUでECTを施行する意義は大きいと考えられる.(著者抄録)
文献番号 ZA07210004<Pre 医中誌>