言語種別 日本語
発表タイトル 膵神経内分泌腫瘍におけるEUS-FNAの診断能についての検討
会議名 第109回 日本消化器内視鏡学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)
発表者・共同発表者◎中山新士, 池浦 司, 岡林 功, 池田正俊, 丸尾基展, 高折綾香, 桝田昌隆, 伊藤嵩志, 中丸 洸, 高岡 亮, 長沼 誠
発表年月日 2025/05/09
開催地
(都市, 国名)
ロイトン札幌・札幌プリンスホテル・京王プラザホテル札幌
開催期間 2025/05/09~2025/05/11
学会抄録 ウェブ
概要 【目的】近年, 膵神経内分泌腫瘍(PanNEN)に対して超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)による質的診断, 及び悪性度診断の有用性が報告されている. 小病変においても診断できる機会が増えており, 治療方針の決定にgradingを含めた病理診断が重要となる. 当院でのPanNENにおけるEUS-FNAによる診断能について検討を行った.
【方法】2021年4月から2024年7月までに当院でEUS-FNAを施行した623例のうち, PanNENと診断した24 例を対象とし, 性別, 年齢, 占拠部位, 腫瘍径, 腫瘍グレード, EUS-FNAの穿刺回数, 偶発症, 診断正診率, 手術症例のグレード一致率について後方視的に検討を行った.
【結果】性別は男性13例, 女性11例, 年齢中央値は61.5歳(38-87), 非機能性23例, 機能性1例(インスリノーマ). 占拠部位は頭部7例, 体部12例, 尾部5例, 腫瘍径中央値は23mm (7-68), 腫瘍グレードはNET-G1 14例, G2 8例, G3 1例, 判定困難1例で, 遠隔転移7例であった. 治療は外科切除15例, 化学療法6例, 経過観察2例, 緩和医療1例. EUS-FNA診断において穿刺針は22GでFork-tip針10例, Franseen針8例, 新型Fork-tip針6例. 経胃穿刺17例, 穿刺回数中央値は3回(2-5), 偶発症では出血1例, 膵炎1例. 診断正診率は92 %, グレード正診率は79%であった. 術前後でgradingが可能であった症例が10例(G1 6例, G2 4例)で, グレードの一致率は100%であった. 10㎜以下の病変(G1 3例, NETグレード判定困難1例)では診断正診率は100%, グレード正診率は75%で, 経過観察2例, 外科切除2例であった.
【結語】当院でのPanNENに対するEUS-FNA診断は小病変も含め高い正診率を認めた. EUS-FNAによる病理組織診断が経過観察を含めた治療方針の決定に有用であったと考えられた.