言語種別 日本語
発表タイトル 頸動脈ステント留置術後のDWI陽性例に関与する因子の検討
会議名 第50回日本脳卒中学会学術集会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎國枝武伸, 三宅浩介, 阪本宏樹, 高倉凌, 多田満里奈, 小野翔平, 古塚建伍, 中山健太郎, 中村正孝, 高橋牧郎, 藥師寺祐介
発表年月日 2025/03/06
開催地
(都市, 国名)
大阪
開催期間 2025/03/06~2025/03/08
概要 【目的】頸動脈ステント留置術(CAS)は頸動脈内膜剥離術と比較して塞栓イベントが多いことが知られており,術後のDWI陽性率も低くはない.CASの周術期合併症低減のため,その原因の同定と対策は重要な課題である.そこで本研究では,CAS後のDWI陽性に関連する因子を検討し,特に脂質マーカーとの関連を明らかにする.【方法】2021年1月から2024年7月までの間に当科でCASを施行した症例を対象とした.CAS後48時間以内にMRIを撮影し,DWIにて1つ以上のhigh intensity spot(HIS)を認めた症例を陽性群(P群),HISが確認されなかった症例を陰性群(N群)として2群に分け,背景因子,LDL値,HDL値,L/H比,CRP,症候性の有無,大動脈弓形態,狭窄率,plaque/muscle比,病変長,脳循環予備能の各因子において単変量解析を行った.また,有意差が得られたものにはROC解析を用いてcut-off値を算出した.【結果】期間中にCASを施行した連続41例中,Emergency CAS 8例,ReCAS 2例,ステント留置不可 2例およびMRI未施行 3例を除いた26例が対象となった(P群 10例,N群 16例).Minor strokeを1例に認めた.各因子のうち,LDL値(P=0.04)とplaque/muscle比(P=0.05)に群間の有意差を認めており,ROC解析の結果cut-off値はそれぞれ82mg/dL,1.64と算出された.【考察】少数例の検討ではあるが,これまであまり言及されていなかったLDL値がDWI陽性に関与している可能性が示唆された.今後さらに解析症例数を増やし,CAS後のDWI陽性とLDL値の関連について明らかにしていく.