言語種別 日本語
発表タイトル 初発脳梗塞患者における脳小血管病負債と長期運動機能予後: HAGAKURE研究
会議名 第50回日本脳卒中学会学術集会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎小野翔平, 池田宗平, 田中淳, 西原正志, 緒方敦之, 吉川正章, 井手俊宏, 鈴山耕平, 小池春樹, 原英夫, 藥師寺祐介
発表年月日 2025/03/06
開催地
(都市, 国名)
大阪
開催期間 2025/03/06~2025/03/08
概要 【目的】脳卒中患者における脳小血管病(SVD)負債と臨床転帰との関連を系統的に調査した縦断的研究は限られている。本研究では、初発脳梗塞患者におけるSVD負債が長期臨床転帰に及ぼす影響を検討した。【方法】HAGAKURE studyに登録された初発脳梗塞患者のうち、SVD画像マーカーが評価可能な患者を対象とした。SVD画像マーカーとしてラクナ、脳微小出血、白質高信号、血管周囲腔の拡大を評価し、SVD負債はこれらの累積であるsummary SVD scoreとして評価した。Summary SVD score1以下の軽症SVDと2以上を中等度以上SVDとの2群に分類した。機能予後はmodified Rankin Scale (mRS)で評価し、2年後のmRSが2以下を転帰良好とした。SVD負債の程度と機能予後との関連をロジスティック回帰を用いて評価した。【結果】初発脳梗塞患者388例のうち、348例(軽症SVD118例 vs 中等症以上SVD 230例)で2年後の機能予後が評価された。背景因子は年齢(67.0歳 vs 78.0歳)、高血圧既往(65.3% vs 80.9%)、発症前mRS(0.0 vs 0.0)で2群間で有意差を認めた。入院時のNIHSSに有意な差はなかった。年齢、性別、高血圧既往、発症前mRS、脳梗塞病型、入院時のNIHSSで調整した多変量ロジスティック回帰において、軽症SVD群は転帰良好に独立した関連を認めた(オッズ比0.45、95%信頼区間0.23-0.90、p = 0.024)。【考察】脳梗塞後の回復過程におけるSVD負債の長期的な影響が確認された。SVD画像マーカーは脳梗塞患者の社会復帰を予測できる可能性がある。