言語種別 日本語
発表タイトル プラスグレルを虚血性脳血管障害の急性期に用いるべきか
会議名 第50回日本脳卒中学会学術集会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(その他)
発表者・共同発表者◎藤本茂, 井口保之, 山上宏, 古賀政利, 板橋亮, 藥師寺祐介, 木村 和美
発表年月日 2025/03/07
開催地
(都市, 国名)
大阪
開催期間 2025/03/06~2025/03/08
概要 アスピリンとクロピドグレル(CLP)の併用療法は、軽症非心原性脳梗塞またはTIA患者の急性期~亜急性期治療として推奨される。CLPはCYP2C19遺伝子多型により効果が減弱するため、その影響の少ないプラスグレル(PRAS)が注目される。PRASは国内第3相試験(PRASTRO-I, II, III試験)により、大血管アテローム硬化又は小血管の閉塞に伴う虚血性脳血管障害の再発予防目的に保険承認されているが、発症7日以内の急性期におけるエビデンスは十分ではない。多施設共同、無作為化、並行群間比較試験であるACUTE-PRAS研究(jRCTs031220079)は、発症48時間以内のアテローム血栓性脳梗塞(LAA)及び高リスクTIA患者を対象に、PRASまたはCLPをアスピリンと併用した際の血小板凝集能(PRU)を、全例およびCYP2C19遺伝子多型(EM、IM、PM)別に評価した。186例が登録され、各群88例が解析対象となった。主要評価項目の投与5日後PRUは、PRAS群 でCLP群に比して、全例(136.5 vs 177.8)、EM(121.5 vs 148.3)、IM(141.7 vs 180.0)で有意に低く、PMでも低下傾向にあった(160.3 vs 208.8)。以上より、LAAまたは高リスクTIA患者の急性期において、PRASはCLPに比べてCYP2C19遺伝子多型による影響が少なく、安定した血小板凝集抑制を示すことが明らかになった。本発表では、副次評価項目である投与90日後の脳心血管イベントや出血性イベント、高血小板反応性の分布についても紹介し,急性期におけるPRASの有効性について考察する。