言語種別 日本語
発表タイトル 2D-MRI画像脳年齢予測モデルは脳卒中発症を予測する:the Kashima Scan Study
会議名 第50回日本脳卒中学会学術集会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎池田宗平, 鈴山耕平, 井手俊宏, 緒方敦之, 江里口誠, 銅山達哉, 原英夫, 小池春樹, 藥師寺祐介
発表年月日 2025/03/07
開催地
(都市, 国名)
大阪
開催期間 2025/03/06~2025/03/08
概要 【目的】脳年齢は神経画像から推定され、脳の健康状態を示すバイオマーカーとして注目されているが、その予測因子や脳卒中との関連は不明である。本研究では、臨床で多く活用される2D-MRI画像で予測した脳年齢が既知の脳小血管病(SVD)神経画像マーカーと関連し、脳卒中発症リスクを予測できるか検証した。【方法】Kashima Scan Study参加者で、脳卒中や神経疾患の既往がない1513例(中央値59.0歳)を対象とした。T2強調MRI画像に既存の脳年齢予測モデルを適用し、脳年齢を算出した。歴年齢で補正した相対脳年齢が1.5標準偏差以上高い群(7.7%)を「老化脳」と定義した。老化脳とSVD神経画像マーカー(ラクナ梗塞、脳微小出血、白質病変、血管周囲腔拡大)、脳容積との関連を検証し、老化脳が脳卒中発症に及ぼす影響をCox比例ハザードモデルで評価した。【結果】脳年齢予測の平均絶対誤差は3.55歳で既報と同等であり、相対脳年齢の標準偏差は4.16歳であった。老化脳群117例は対照群1396例に比べ、高血圧、糖尿病の有病率が高かった。多変量ロジスティック回帰分析で、血管周囲腔拡大(調整オッズ比1.83、95%信頼区間1.09-3.09)および脳容積減少(調整オッズ比0.93、95%信頼区間0.89-0.97)が老化脳と有意に関連した。中央値9.56年の追跡期間中、老化脳群6名(5.1%)、対照群21名(1.5%)が脳卒中を発症した。Cox比例ハザード解析で、年齢、性別、血管リスク因子を調整後も、老化脳は脳卒中発症と有意に関連していた(ハザード比2.78、95%信頼区間1.11-7.00)。【結論】脳年齢は既知のSVD神経画像マーカーと関連し、脳卒中発症の予測因子として有用である可能性が示唆された。