言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 脳ドック受診者を対象とした脳小血管病研究The Kashima Scan Study (pahse1)を振り返る |
会議名 | 第50回日本脳卒中学会学術集会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | シンポジウム・ワークショップ パネル(指名) |
発表者・共同発表者 | ◎鈴山耕平, 藥師寺祐介, 江里口誠, 原めぐみ, 井手俊宏, 野口智幸, 西原正志, 小池春樹, 原英夫: |
発表年月日 | 2025/03/08 |
開催地 (都市, 国名) |
大阪 |
開催期間 | 2025/03/06~2025/03/08 |
概要 | 脳小血管病(SVD)は脳微細血管の劣化によって脳循環・代謝・神経ネットワークが障害された器質的・機能的変化を伴う症候群である。我々はこのSVDに注目して2005年から佐賀県鹿島市で健常成人を対象とした脳ドック研究を開始した。当初はKSSの名称はなかったが、2012年の脳ドック学会総会(広島)での学会会長賞受賞の際に松本昌泰会長に研究名称を付けて世界に発信するように助言されKashima Scan Study (KSS)と名付けた経緯がある。結果、2011年までの登録患者をKSS phase1として2021年までフォローアップを行った。KSS phase1ではSVDに関する横断的検証として、脳微小出血(CMBs)と認知機能低下の関連、SVDへの高血圧・喫煙の相乗効果、血管周囲腔拡大(PVS)分布とCMBsの関連、total SVD scoreの関連因子を行った。また健常人でのCMBsの分布の地理的・人種的な相違について国際共同研究(DICOM研究)において中心的な役割を果たした。縦断研究では脳卒中既往や頭蓋内主幹動脈病変(高度狭窄や脳動脈瘤)のない健常成人を追跡し、total SVD score と将来の脳・心血管イベント(脳卒中、一過性脳虚血発作、虚血性心疾患、急性心不全および大動脈解離)が関連することを明らかにした。またSVDの経時的悪化はベースライン時の高血圧と関連していた。2018年からはKSS(phase 1)では含めていなかった社会経済的背景因子やゲノム情報が如何にSVD、およびSVD関連病態(脳卒中・認知症)への影響するかについて検証すべくKSS phase 2 (KSS 2)を開始し、今後解析を進めていく予定である。 |