言語種別 日本語
発表タイトル 1 型自己免疫性膵炎における再燃例に対する治療について
会議名 第56回日本膵臓学会大会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)
発表者・共同発表者◎中丸洸,池浦司,伊藤嵩志,桝田昌隆,中山新士,島谷昌明,高岡亮,岡崎和一,長沼誠
発表年月日 2025/07/26
開催地
(都市, 国名)
ホテルニューオータニ 東京 (東京千代田区)
開催期間 2025/07/25~2025/07/26
学会抄録 ウェブ
概要 【背景】1 型自己免疫性膵炎(AIP)はIgG4 関連疾患の
膵病変でありステロイド治療が奏功するが,再燃する
症例が存在する.しかし再燃例に対する治療やその予
後については明らかになっていない.【目的】1 型AIP
における再燃に対する治療とその予後について明らか
にすること.【対象】当院で1 型AIP と診断し,半年以
上経過観察を行った185 例を対象とした.【結果】対象
の年齢中央値67(31-84)歳,男性149 例(81%),血
清IgG4 中央値394(15-2070)mg/dl,び慢性膵腫大86
例(46%),膵外病変あり89 例(48%),観察期間中央
値86(6-226)ヵ月であった.対象の中でステロイド治
療が行われた症例は152 例(82%)であり,再燃した症
例は60 例(39%)で,初回治療から再燃までの期間は
33(3-130)ヶ月であった.維持療法中の再燃は23 例
(38%)であった.再燃臓器は膵病変31 例(52%),胆
管病変13 例(22%),腎病変5 例(8%),後腹膜病変
1 例(1%)であった.再燃に対する治療はステロイド
パルス+維持療法31 例,経口20 例,パルス単独6 例,
免疫調整薬への変更2 例,ステロイド+免疫調整薬1
例であった.再燃後の再々燃は21 例(35%)で認めた.
罹患臓器は膵病変8 例(38%),胆管病変3 例(14%),
腎病変2 例(10%),後腹膜病変2 例(10%)であった.
再燃から再々燃までの期間は中央値35(3-117)ヶ月で
あった.再燃時にステロイド維持療法を行った51 例の
うち再々燃した症例は16 例(31%)で,維持療法中の
再々燃は7 例(14%)であった.再燃時に免疫調整薬へ
変更した2 例のち1 例(50%)で再々燃を来した.再々
燃例では非再々燃例と比較して再燃時の複数臓器罹患
例が有意(36% vs 13%,p<0.05)多かった.【結論】
1 型AIP のおける再燃例では約30% で再々燃し,再
燃時に複数臓器に病変を有した症例は再々燃しやす
く,難治例である可能性が高い.