言語種別 日本語
発表タイトル 胆膵内視鏡治療時の鎮静におけるレミマゾラムの有効性と安全性の検討
会議名 第56回日本膵臓学会大会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)
発表者・共同発表者◎正木誠人,豊永啓翔,松本浩尚,島谷昌明
発表年月日 2025/07/26
開催地
(都市, 国名)
ホテルニューオータニ 東京 (東京千代田区)
開催期間 2025/07/25~2025/07/26
学会抄録 ウェブ
概要 【目的】レミマゾラム(RT)は,超短時間作用型のベン
ゾジアゼピン系鎮静薬であり,速やかな効果発現と回
復,循環抑制や呼吸抑制などの副作用が少ない新規鎮
静薬として注目されている.本邦では内視鏡診療にお
けるRT は保険適応外であり,倫理委員会の承認と患
者の同意を得た上でRT を導入した.今回,胆膵内視鏡
治療時の鎮静におけるRT の有効性・安全性を後方視
的に検討した.【方法】2024 年8-9 月の間にERCP を受
けた患者39 例を対象とした.全例でRT 投与前に酸素
投与(2L/分)を開始し,鎮痛薬(ペンタゾシン7.5mg)
が投与された.RT 投与量は通常群(ASA-PS≦2,Age
<75)で初回0.2mg/kg,持続投与0.5mg/kg/h,追加
投与0.1mg/kg,ハイリスク群(ASA-PS≧3,Age≧75)
で初回0.16mg/kg,持続0.4mg/kg/h,追加0.08mg/
kg とした.バイタルサインは5 分毎に測定,鎮静評価
はModified Observer’s Assessment of Alertness/Sation(
MOAA/S)スコアを使用,鎮静深度はMOAA/
S≦3 を目標とした.処置終了後はModified Aldrate
スコア≧6 で退室可能とした.鎮静成功は,1:処置開
始前にMOAA/S≦3 を達成,2:処置完遂,3:処置開
始後のRT 追加投与が10 分あたり3 回未満の全てを
満たす場合と定義した.評価項目は,1)鎮静成功率,
2)RT 総投与量中央値(範囲),3)初回投与から
MOAA/S≦3 までの時間中央値(範囲),4)処置終了
から退室可能までの時間中央値(範囲),5)処置終了
30 分後のMOAA/S スコア中央値(範囲),6)処置終
了30 分後のModified Aldrate スコア中央値(範囲),
7)有害事象とした.【結果】患者背景は通常群17 例,
ハイリスク群22 例,年齢中央値75(44-88)歳,男女
比26:13,ASA-PS1/2/3:4/27/8,平均鎮静時間53.1
±22.8 分であった.1)94.9%,2)37.9(15.1-93.8)mg,
3)1(1-2)分以内,4)5(0-15)分,5)5(3-5),6)9
(7-10),7)17.9%(低血圧5 例,低酸素血症2 例)で,
いずれも一時的な対応で改善した.【結語】RT は胆膵
内視鏡治療における鎮静において,有効かつ比較的安
全な鎮静薬であることが示唆された.