言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 磁界計測を用いた単一運動単位の筋活動電流と筋活動電位の関係 ―多数筋での検討― |
会議名 | 第66回日本神経学会学術大会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎中山健太郎, 幸原伸夫, 山本祐輔, 佐藤慎司, 朴正旭, 藥師寺祐介, 齋藤貴徳 |
発表年月日 | 2025/05/22 |
開催地 (都市, 国名) |
大阪 |
開催期間 | 2025/05/21~2025/05/24 |
概要 | 【目的】筋腹腱の双極記録での筋活動電位(MAP)は筋腹直下の活動電位を主に反映していると考えられているが、実際には神経終末での興奮、筋線維内の両方向への興奮伝搬、筋腱移行部でのend potentialなどの様々な成分によって構成される。これまで電位計測やコンピューターシミュレーションでそれぞれの成分によるMAPへの寄与に関する報告はあるが、実際に筋電流分布を記録し、電位と比較した報告はない。磁界計測装置を用いて筋活動電流を可視化することで電位とMAPとの関係を明らかにし、測定筋による違いについても検討した。【方法】本研究は本学の倫理委員会承認のもとで実施し、磁界計測ならびに解析は開発中の神経磁界計測装置を用いて行った。健常者の手内筋、前腕屈筋、前脛骨筋、足底筋で自発的に出現する単一運動単位電位をトリガーとし、筋磁界を1000回、電位を100回以上の平均加算し記録した。得られた筋磁界から筋線維活動に伴う電流分布の時間的・空間的経過を再構成し同部位での電位と比較した。【結果】測定部位にかかわらず筋活動電流は基本的に3相性の波が記録された。第1相は活動電位が神経筋接合部へ流入することに由来し、第2相・3相は両方へ伝搬した活動電位が近位側・遠位側のそれぞれの筋腱移行部に到達した際に生じる筋線維内電流とその容積電流と考えた。筋線維方向に垂直に流入する容積電流は同部位の電位波形と近似した。【結論】筋活動電流は神経筋接合部から始まり、両方向に伝搬し、腱で終わるという特性により神経とは異なった所見を示す。MAPの波形には筋腱移行部で生じる電流の影響が大きく、第2相はMAPの陰性相、第3相は陽性相に寄与した。第2相・3相の電流の向きや時間差は測定筋によって異なり、神経筋接合部の位置や筋腱移行部までの長さの違いによるものと考えた。 |