| 言語種別 | 日本語 |
| 発表タイトル | 医原性脳アミロイド血管症 ー歴史的背景と今後のサーベーランスー |
| 会議名 | 第44回日本認知症学会学術集会 |
| 学会区分 | 全国規模の学会 |
| 発表形式 | 口頭 |
| 講演区分 | 特別講演・招待講演など |
| 発表者・共同発表者 | ◎藥師寺祐介, 森川正康, 古塚建伍, 村上綾 |
| 発表年月日 | 2025/11/23 |
| 開催地 (都市, 国名) |
新潟市 |
| 開催期間 | 2025/11/21~2025/11/23 |
| 学会抄録 | 日本認知症学会誌 39(4),96 2025 |
| 概要 | 脳血管へのAβ アミロイド沈着症である脳アミロイド血管症(CAA)は通常高齢者に発症する。一方、ヒト屍体下垂体由来成長ホルモン投与例やヒト由来乾燥屍体硬膜移植後の病理学的なCAA発症の報告以降、脳外科手術歴や硬膜移植歴後、数十年で若年発症する医原性CAA(iCAA)という疾患が提唱された。山田らが行なった文献調査(難治性疾患政策研究事業 研究課題:早期発症・非遺伝性脳アミロイドアンギオパチーの発症機序)によれば2022年9月までに33例のiCAA疑い例があり、典型例は小児期の開頭手術や硬膜移植から25年以上を経て出血を起こしていた。iCAAの系統的疫学的調査は国内外でなされておらず、医療現場での認知も十分でない。我々はヒト屍体由来乾燥硬膜(商品名 Lyodura)移植後のiCAA関連脳出血の報告や、脳外科手術後30年後の高齢 iCAA例の報告等を通じてiCAAの実態把握には脳出血例でのサーベーランスが最適と考えた。予備的研究では脳出血連続例約1300例中3例(0.2%)にiCAA疑い患者がいた。2025年の改変iCAA診断基準では、iCAA患者疑い例のサーベーランスが行いやすいように評価項目が整備された。そこで我々は、日本脳卒中学会の登録事業の一環として、悉皆性の高いiCAA関連脳出血のサーベーランスを企画した。プリオン病のサーベーランスと感染予防に関する調査研究班(プリオン病サーベーランス班)やアミロイドーシスに関する調査研究班(アミロイドーシス班)の協力のもと、厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業として2025年度より開始できることとなった。本事業によりiCAAの実態を明らかにし、将来的な厚生労働行政への活用や国際共同研究への展開に資するデータを構築していきたいと考えている。 |