言語種別 日本語
発表タイトル 1型脳小血管病由来の脳出血(いわゆる高血圧性脳出血)の展望
会議名 STROKE2026
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)
発表者・共同発表者◎藥師寺祐介
発表年月日 2026/03/14
開催地
(都市, 国名)
大阪市
開催期間 2026/03/12~2026/03/14
概要 本邦の脳卒中史を振り返ると,1965年の時点で脳卒中死亡率が世界一高く,その中でも脳出血死亡率が極めて高かった.その後の,高血圧の認知,降圧剤の開発,塩分摂取量の改善に伴い,脳出血死亡率は劇的に低下した.この致死的脳出血の頻度低下は加齢や高血圧などの生活習慣に基づく細動脈硬化病理に起因する1型SVD,すなわち “いわゆる高血圧性”脳出血の発症率低下を意味しているであろう.1980年代まで続いた本邦の脳出血死亡率の低下はその後横ばいになった.これは塩分制限や降圧療法の不徹底,抗血栓療法下に生じる脳出血の増加,高齢社会での脳アミロイド血管症(cerebral amyloid angiopathy: CAA)関連脳出血の増加など様々な要因を反映しているのだろう.塩分制限や降圧療法の新たな目標値は脳卒中と循環器病克服 第三次5ヵ年計画の予防・啓発セクションに盛り込まれた.さらに同セクションでは社会的決定要因(Social Determinants of Health: SDOH)にも注目し社会全体の健康格差是正も目標に掲げた.抗血栓療法下での脳出血は,抗血小板療法の至適容量のエビデンスやDOACの出現により,増加に歯止めがかかると期待されるが,未だにMRI上の白質病変や無症候性ラクナ等を根拠に不適切な抗血栓薬が使用され,高血圧治療は見逃されたまま,脳出血を生じる不幸な例が後を絶たない.本件については脳ドック学会等と共に啓蒙に力を注ぐべき事項と思われる.この10年で“いわゆる高血圧性”脳出血の新たな関連因子としていわゆる虫歯菌が注目されており、口腔内衛生の改善による1型SVD関連の脳出血の発生率低減が期待されている.