| 言語種別 | 日本語 |
| 発表タイトル | 教育講演5 潰瘍性大腸炎診療の最前線 |
| 会議名 | 第123回日本内科学会総会・講演会 |
| 主催者 | 張替 秀郎 |
| 学会区分 | 全国規模の学会 |
| 発表形式 | 口頭 |
| 講演区分 | 一般 |
| 発表者・共同発表者 | ◎長沼誠 |
| 発表年月日 | 2026/04/10 |
| 国名 | 日本 |
| 開催地 (都市, 国名) |
東京(東京国際フォーラム) |
| 開催期間 | 2026/04/10~2026/04/12 |
| 概要 | 潰瘍性大腸炎(ulcerativecolitis:UC)は,腸内細菌叢や食事などの環境因子,遺伝的素因,免疫学的異常などが複合的に関与し,腸管粘膜に慢性炎症をきたす炎症性腸疾患である.
近年の疫学調査では本邦の患者数は30万人を超え,一般内科診療においても日常的に遭遇する疾患となっている. UCは病因・病態が未だ完全には解明されておらず,診断や治療に難渋する症例も存在するが,近年の分子生物学的研究の進展により,病態の理解と治療戦略は大きく進歩している. UCの治療目標は従来の臨床的寛解から,内視鏡的寛解,組織学的寛解,さらには機能的寛解へと拡大し,これらを段階的に達成するTreatto Target(T2T)の概念が提唱されている. T2Tを実践するためには活動性を客観的に評価する手法が重要であり,画像強調内視鏡や拡大内視鏡による評価に加え,人工知能を用いた自動活日本内科学会雑誌115巻臨時増刊号動度判定システムの臨床応用も進みつつあり実 用化されている. また,非侵襲的評価法として便カルプロテクチン,ロイシンリッチα2グリコプロテイン,プロスタグランジンE主要代謝物などのバイオマーカーが実用化されている. 一方,治療では5―アミノサリチル酸(5-ASA)製剤やグルココルチコイドが基本となるが,5ASA不耐例やステロイド抵抗・依存例などの難治例が課題となっている. 近年,抗TNFα抗体,抗IL-12/23p40 抗体,抗IL-23p19 抗体,JAK阻害薬,接着分子阻害薬,S1P受容体調節薬など機序の異なる複数の分子標的薬が登場し,難治例への治療選択肢が飛躍的に拡大した. しかし,それぞれの薬剤の最適なポジショニングは未だ明確でなく,また複数分子標的薬への抵抗を示すDifficult-to-Treat(D2T)症例の存在も新たな課題となっている. 本講演では,UCにおける病態解明の進歩を踏まえ,近年の診療におけるバイオマーカーおよび分子標的治療の最新知見と今後の課題について概説する. |