言語種別 日本語
発表タイトル 高齢者に対するERCP時のレミマゾラム持続投与法とミダゾラム間歇的投与法の比較検討
会議名 第111回日本消化器病学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎正木誠人, 豊永啓翔, 高山昇之, 中田英俊, 高山拓也, 中川達矢, 松本浩尚, 折野匡洋, 山階武, 島谷昌明
発表年月日 2026/05/08
開催地
(都市, 国名)
横浜 パシフィコ横浜
概要 【背景】本邦では高齢化の進展に伴い,胆膵疾患に対する内視鏡的治療の機会が増加している.高齢者では生理的予備能の低下や併存疾患の影響により,鎮静時の循環・呼吸抑制や覚醒遅延などのリスクが高く,安全な鎮静管理が課題となる.レミマゾラム(RMZ)は超短時間作用型で,速やかな鎮静導入と回復,循環動態への影響が少ないことから,高齢者における安定した鎮静が期待される.本研究では,高齢者を対象にERCPにおけるRMZ持続投与法と従来のミダゾラム(MDZ)間歇的投与法の有効性・安全性を後方視的に比較検討した.
【方法】2024年8月~2025年10月にERCPを施行した75歳以上の患者136例を対象に,RMZ持続投与群81例(R群)とMDZ間歇的投与群55例(M群)に分類した.鎮静前に酸素2L/minおよびペンタゾシン7.5㎎を投与した.投与量はR;初回0.16mg/kg,持続0.4mg/kg/h,追加0.08mg/kg,M:初回2mg,追加1-2mgとした.鎮静深度はModified Obsercer's Assessment of Alertness/Sedations(MOAA/S)≦3を目標とし,退出可能基準はModified Aldreteスコア≧6とした.主要評価項目は,1)鎮静成功率(①処置開始前にMOAA/S≦3達成,2処置完遂,③処置開始後の追加投与回数が10分あたり3回未満,④検査中断を要する不穏がない),副次的評価項目は2)初回投与からMOAA/S≦3達成までの平均鎮静導入時間±SD,3)退室可能までの平均回復時間±SD,4)処置終了30分後のModified Aldreteスコア中央値(範囲),5)有害事象とした.
【結果】患者背景は年齢,体重,BMIに差はなく,性別とDBE使用割合に有意差を認めた(p<0.05).鎮静薬総投与量中央値(範囲)はR:36.6mg (15.1-97.7),M:7.0mg(3.0-17.0),鎮静時間中央値(範囲)はR:51(14-161)分,M:45(9-143)分であった.1)鎮静成功率は R:92.3%, M:74.5%で有意にR群が高かった(p<0.001).2)鎮静導入時間はR:1.2±0.5分,M:2.4±1.7分と有意にR群で短かった(p<0.001).3)回復時間はR:6.7±4.8分,M:4.8±5.4分でM群が有意に短かった(p=0.014).4)30分後の覚醒評価はR:9(4-10),M:8(4-10)でR群が有意に高かった(p<0.001).5)有害事象は両群間に有意差はなく,低血圧(R:7.4&,M:12.7%),低酸素血症(R:2.5%,M:1.8%),徐脈(R:1.2&,M:1.8%)で,いずれも一時的な介入で改善した.
【結語】高齢者に対するERCP時のRMZ持続投与法はMDZ間歇的投与法より迅速な導入と高い鎮静成功率を示し,安全性も同等で,有用な選択肢となる可能性が示唆された.